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ヘルニアで、おめでとう?

2020/08/20
ブログ
夢見る少女じゃいられない。どうも、安東の河野です。

先日41歳の誕生日を迎え、少女どころか、しっかりおじさんになりました。

この年齢と見た目で、おじさんから目を背けることなど不可能!
しかし、ポケモン的に言うと「おじさん」は進化して「おじ様」になれると聞いたことがあります。
今後は目標を「おじ様」に絞って生きていこうと思います。

さて、今回はそんなおじさんである私と、とある患者さんとの出会いと別れを紹介したいと思います。
ちょっと小難しい話になりますが、興味があればお付き合い下さい。


その患者さんはある日突然やってきました。主訴は腰から太もも裏、ひざ裏の少し上くらいまでの痺れと痛みです。
治る治らないは別として、僕たちの仕事ではそう珍しい症状ではありません。

所謂ぎっくり腰と言われるような急性腰痛ではなくて、デルマトームにそって神経症状(痛み・痺れ)がばっちり出ています。
デルマトームって何?おいしいの?という方もいらっしゃると思いますが、デルマトームってこれです。↓



食べられません。
胡散臭い図に見えますが、どこの神経にトラブルが起こると、どこの部分に症状が出るのかが示されている優れものです。

例えば後ろ姿の図で、お尻のあたりに「5」と数字が書いてあると思います。「S1」の上で、緑色に色分けされた数字です。
コレは腰の骨で、腰の骨を上から順に数えて5番目の骨というコトを表しています。

その「5」を気圧の等圧線のように囲んでいる線がありますが、「5」から出る神経にトラブルが発生すると、この線で囲まれた枠の中に症状が現れます。
スネの辺りや、足裏にある「L5」と書いてあるのも「5」と同じという意味なので、腰の方のトラブルなのに、足の方まで痛みや痺れが出ることを表しています。びっくりですよね?

で、この患者さんはバッチリ「5」の範囲に沿って神経症状が出ているのです。
この時点ではヘルニアか狭窄症、もしくは筋・筋膜性腰痛と梨状筋(りじょうきん)症候群の複合型かな?と考えていました。あとはテストを行って、より正解に近いものに近づける作業です。

以前のブログにも書きましたが、ヘルニアや狭窄症などが徒手によって治らなくても、症状を改善させる可能性はあります。

ではでは…というコトで各種テスト実施。
しかしヘルニアを疑うテストも、狭窄症を疑うテストも、梨状筋症候群や筋膜性腰痛を疑うテストもすべて陰性。可動域も問題ありません。
強いて言うなら若干足を上げた時の可動域に左右差があったのですが、角度で言えば5度程度で、どちらも90度近く上がります。

でも、患者さんはハッキリとした不調を訴えます。

とりあえず施術してみましょう!というコトで、レッツトライ♪

…で

結論から言うと、症状はわずかに軽減する程度。しかも、またすぐに症状が現れます。

明らかにおかしい。こんな時は…

「一度病院に行って、画像を撮ってみましょう!」

患者さんは病院に対し抵抗があったようでしたが、真面目な方で、すぐに病院に行ってくれました。

そして気になる診断は…



異常なしっ!



えーーーーーーっ(;゚Д゚)

そんなわきゃーねーだろー!?



しかしこの病院の先生は、腕が良いと評判の方です。うーむ…。
おまけに塩対応だったらしく、患者さんは完全にハートブレイクです。お勧めしちゃって、なんかスンマセン。

でも、症状には何か理由があるハズです。整形外科的に異常がないということは、逆に徒手を専門とする僕たちの分野に可能性があるとも言えます(内臓や・脳神経から来る痛みは除く)。

というコトで、ボク頑張りました。

延べ数回にわたり、ボク結構頑張りました。

その結果…


やっぱり痛い!


えー⤵(-_-;)


・・・


ホントに病院で異常無かったんですよね?

僕の技術的な問題も否定できませんが、明らかに違和感を感じます。
どう考えても腰の器質的なトラブルの可能性が高く、これ以上の対応が思いつきません。

「もう一回画像を撮りましょう!今度はMRIで!」
とお願いしました。

前回の塩対応のこともあるので、今回はさすがに渋ってましたね。
そりゃそうです。告白してフラれた相手に、もう一回告白して来いって言ってるようなものですからね。って、ちょっと違うかな?
患者さん自身は、ウチで継続した施術を希望されていました。
ではもう少しトライしてみましょう!というコトだったのですが…

しかし先日、この患者さんから連絡がありました↓

「違う病院でMRIを撮ったら、ヘルニアがありましたっ!」

ありがとう!病院に行ってくれたんですね♡
それを聞いた僕が言った言葉がコレです↓


「やっぱりヘルニアでしたか。いやぁ良かったですね」


・・・


いや!ヘルニアがあって良かったって、おかしいじゃろがいっ!
という話なのですが、お互いに爆笑し、原因が解ったことに安堵したのでした。原因が解れば、対処できますからね。

今回はヘルニアを見つけてくれたドクターの指導のもと、以降は病院で対応することになりました。彼女とは残念ながら?お別れです。

しかしその患者さんからは、
「親身になって対応して下さってありがとうございます。またお世話になるコトがあったら、その時はよろしくお願いします。」
というお言葉をいただきました。

ありがたやー(T_T)

話を聞くと、今回も最初はやはり異常が見当たらなかったそうですが、事情を説明し、角度を変えて撮ってみたところ、ヘルニアが見つかったそうです。
もし仮にこれまでの経緯が無ければ、ここでも最初の段階で異常なしの診断が出ていたのかも知れません。

あの二人の日々は無駄ではなかったと思いたいです(*'ω'*)



いつもブログで紹介するのは症状を改善させた成功体験が多いのですが、やはりこういった事もあるのです。
特に今回は、当初異常なしの診断が出たことで、逆に正解に辿りつくのに時間がかかってしまったケースでした。

僕たちが現場で働いていると、様々な症状の患者さんが来られます。
中には難しい症状をお持ちの方もおられるのですが、そんな時つい自分が何とかしなければ!と考えがちです。
当然自分自身の技術を磨き、対応できる症状のなかではそれらは必要です。
でも、もし対応できる症状ではなかったり、原因が解らないような時は、症状改善に向けてベターな提案をすることも大事だと感じました。

大切なのは、患者さんの症状が改善し、心身ともにより良い状態を手に入れる事ですからね。

…とまぁ、こんな感じでやっている「はな鍼灸整骨院」です。

お体の不調でお悩みの際には、お気軽にご相談ください。
皆さんのお力になれるよう頑張ります!




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