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オススメ!『腸と脳』 みんな、腸内環境を整えよう! ①

2020/08/08
ブログ

こんにちは!

佐伯区のはな鍼灸整骨院コイン通り院の山口です。

 

今回は、腸内細菌と人間の情動に関する研究を分かりやすくまとめた本

『腸と脳 内臓感覚は強し』 

エムラン・メイヤー 著  高橋洋 訳

をご紹介したいと思います!

 

「腹が立つ」 「はらわたが煮えくり返る」「腑に落ちる」といったことわざや

不安になると胃がキリキリする感覚になったり、大事なプレゼンの前にトイレに行きたくなったり・・・

 腹痛のイラスト(女性)

内臓の状態と人間の情動が関連していることは

とても身近な事実でしたが、自律神経(交感神経、副交感神経)の働きだけで

そのすべてを説明する事はできませんでした。

 

この本では、腸と脳の繋がりを研究し続けてきた第一人者が、

腸と腸内の微生物と脳が交わす緊密な情報のやり取りが心身に及ぼす影響や

腸内環境の異変と疾病の関係などについての最新知見を分かりやすく解説しています。

 

 小腸のアイコン(内臓)


腸と腸内に宿る微生物、そして脳とが、いかに密に連絡を取り合っているか


胃潰瘍、高血圧、慢性疼痛など・・・

こうした、特殊でないありふれた病気について

その疾病のメカニズムに関して研究されていても

発症に関して脳がどのようにかかわっているのかはほとんど言及されていません。

 

つまり、胃潰瘍がどんな状態かは研究されていても、どうして胃潰瘍になったのかはブラックボックス化されたままなのです。

 

この本の著者メイヤーさんは医学生時代、論文を書くにあたって

徹底的な検査をしても症状の原因が突き止められない患者さんを研究対象にしようと考えました。

こうした患者さんの症状のほとんどは、腹部、胸部、骨盤など体のさまざまな部位で生じる慢性と打つに関係していたのです。


メイヤーさんはこれらのごく普通の病気をもっとよく理解しようと、脳と体の相互作用を研究する生物学を学ぼうとしました。しかし、そのことを相談した内科学のカール教授に冷たく言い放たれてしまいます。

「メイヤー君、慢性疾患の発症に心が重要な役割を果たしていることは誰もが知っている。だが、この現象を研究するための科学的方法はいまのところ存在しない。ましてや、それに関して一篇の論文を書くことなど土台不可能だ。」

 

 

当時の医学モデルは簡単にまとめると「病気=敵」でした。

つまり手ごわい敵(がんや感染症など)は強力な武器(抗生物質や高度なテクノロジーによってもたらされる外科手術や医療システム)で最終的に解決されるというというものです。

テクノロジーに依存した楽観主義的発想は、病原菌をせん滅する=勝利とみなされ

副作用をはじめとする付帯的損害は容認可能なリスクとみなされていました。

 

たしかに、こうした考えは、外科的応急処置を要する疾病や特定の急性疾患には非常にうまく機能しました。しかし、同時に患者さんのストレス状態の危険信号である病気でさえ、その伝達機構の遮断や異常作動した機構の阻害で解決してしまったのです。

 

「異常があれば蓋をして、壊れたら取り換える」という機械的モデルの発想は製薬技術の飛躍的な進歩をもたらしました。

しかし、その進歩にともなって莫大となった医療費が重く国民にのしかかる一方で、慢性疼痛や過敏性腸症候群、うつ病、不安障害、神経変性疾患などの心の病の治療に関してはほとんど進歩がなかったというのが現状です。

 

 

色んな仕事をしている腸

「腸活」という言葉に代表されるように、今、腸や腸内細菌に注目が集まっています。

腸の機能は、ただ栄養を吸収する器官ではありません!

 

l  5千万~1億の神経細胞で構成されていて、「第2の脳」と呼ばれる

l  腸内の免疫細胞は免疫系における最大の構成要素を担っている。(骨髄や血中よりも芽根喜細胞が多い)

l  腸壁に存在する内分泌細胞の量は、それ以外の内分泌系組織を合わせたものより大きい

l  腸はセロトニン(脳システムの統制に関与するシグナル分子)の最大の貯蔵庫である。

 

などなど・・・

とても大切な臓器という事がお分かりいただけたでしょうか??

 

今回は、ありふれた病気がいかに未知の部分が多いか、そして腸と腸内細菌にその先の答えがあるかもしれないという可能性についてお話しました。

 

次回は、『腸と脳の相関関係』について話したいと思います!

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

 

 

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